ビルダーとシドーが幻の世界を創り直して三年程経過した。
からっぽ島と他の島もビルダーを中心に少しずつモノ作りは進んで、住民の生活は豊かになりひとの往来や移住も増えて賑やかだ。
今日も耳に馴染んだハンマーによるモノ作りの音はどこからか聞こえている。ビルダーの相棒で親友のシドーは耳をそばだてて目標の人物の居場所を突き止めると爽快に駆け出して少し離れた、整地したばかりの場所に建造物の形が出来ているのを見つけた。
仮足場に乗りハンマーを打ち付けるリズムと共にツンツン頭も揺れるビルダーの姿を視認出来て、見上げたシドーは声を張り上げた。
「--おおーい!! ビルダァー!!」
珍しく声に気付き呼ばれた当人はシドーへ向き手を振り、仮足場の下手に立つシドーの元へ軽やかな身のこなしで下りてきた。
「シドー、なにか用?」
へらっと笑うビルダーへシドーは手提げかごを付き出し見せつけた。
「メシだ。また食ってねえだろ? オマエ」
かごから良い匂いがふわりと漂い嗅覚が刺激されて、堪らず空腹を訴えてくるビルダーの腹。苦笑いして手提げかごを受け取る。
「……ありがとう。もうお昼過ぎてたんだね。休憩にするよ」
「そうしろ。オレも一休みしていく。オマエがちゃんと食べたかどうか見ておかないとな」
「食べますよー。せっかく持ってきてもらったんだから。これぼく一人分?」
「ああ。オレは先に食ってきた」
「そっか」
ビルダーは持参している布地のレジャーシートを取り出し、適当にその辺りに広げて腰を下ろすと隣を叩いて相棒に促す。シドーもゆっくりした動作で座った。
「……うわうっま! ソフィ相変わらず上手いねえ」
「……昼はリズだぞ。どっちも差はねえ腕前だけどな」
「そっかリズちゃんか。たまには顔出しに食べに行かないとなあ」
「モノ作ってると没頭して店閉まってるもんな。そこはオマエの長所で短所だと思うが」
「へへっ、否定はしません」
のんびり会話しながら遅い昼食を終えたビルダーは背筋を伸ばした。
「……うーん。おかげさまで満腹になったよ。午後も頑張るかー」
「頑張り過ぎんなよ? オレ、かごを返したら見回りして風呂入ってバーへ行くつもりだが、オマエ大丈夫か?」
「お、遅くなる前には帰るようにするよ。死神は相手したくないし……」
「……そのもっと前に切り上げろっての。まあいい、時間あったら後で見に来てやるよ。じゃあな」
笑みを浮かべてシドーは来た道を戻っていった。見送ったビルダーは、いくら相棒で親友であっても心配を掛け過ぎないようにしないといけないな……と、この頃毎回思っては懲りずに繰り返している。
自分で生活管理しないと、いつまでもシドーに甘えているばかりでは駄目だ。そう決心して作業再開したは良いがまた時間は過ぎてしまっていた………。
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